お年寄りや障がい者、傷病者、妊産婦、乳幼児・児童などは災害のときに正確で迅速な行動を取りにくいかたを災害弱者といいます。
高齢者・寝たきりのかたのために
- 日ごろの備え
室内はできるだけ広くし、家具、棚の上に重い物、角のある物を置かない。 - 災害時には
あわてて外に飛び出さない。本震がおさまっても余震に備えて、家の中の安全な場所に移動する。 - 介助者へ
緊急の時は、おぶって安全な場所まで避難する。複数の介助者で対応する。不安を取り除くように声をかける。
肢体が不自由なかたのために
- 日ごろの備え
室内の安全スペースの確保と家具等の転倒防止対策を十分にする。 - 災害時には
無理な行動をとることを避けながらも、頭部を座布団や手で守る。車イスは安全な場所に止め、介助者の協力を求める。 - 介助者へ
階段では、2人以上が必要。上りは前向き、下りは後ろ向きにして移動する。介助者が1人の場合、おぶりひもなどを用意し、おぶって避難する。
耳が不自由なかたのために
- 日ごろの備え
日常から筆記用具を携帯しておく。 - 災害時には
メモなどで、正確な情報を周囲の人に聞く。 - 介助者へ
話すときは、口の開けかたをハッキリとし、相手にわかりやすいようにする。手話、筆談、身振りなどの方法で正確な情報を伝える。
知的障がいのあるかたのために
- 日ごろの備え
災害時の行動を日ごろから繰り返し話して聞かせ、ブロック塀や自動販売機など、外での危険な場所も教えておく。 - 災害時には
家族の人と行動する。できない場合は、近所の人に助けを求める。 - 介助者へ
あわてないように優しい声で指示を出すか、手をとって安全な行動を促す。
目の不自由なかたのために
- 日ごろの備え
白杖は必ず手の届く所に置いておく。家具等の配置の変更は本人に必ず伝える。 - 災害時には
災害発生時には笛などを吹き、居場所を知らせる。まわりの人に安全な場所までの誘導を依頼する。 - 介助者へ
災害時には、声をかけ情報を伝える。誘導する場合は、杖を持った方の手には触れず、ひじのあたりを軽く持ってもらい半歩前をゆっくり歩く。
内部障がいのあるかたのために
- 日ごろの備え
通院が不可能になった場合に備え、主治医のアドバイスを受けておく。常用薬や特殊な治療食の蓄えについてかかりつけの医療機関に相談する。 - 災害時には
かかりつけの医療機関の状況を確認する。帰宅できない状態でさしせまった治療の必要がある場合は、最寄りの医療機関か防災関係機関に相談する。 - 介助者へ
かかりつけの医療機関をはじめ、病院や救護所などの情報収集の手助けをする。